ヨゴレネコノメ

 

汚れ猫の目 ユキノシタ科 ネコノメソウ属

Chrysosplenium grayanum var. atrandrum

日本固有種

 ヨゴレネコノメ (汚れ猫の目) ユキノシタ科 ネコノメソウ属  2012.04.08 東京都 高尾山
 ヨゴレネコノメ (汚れ猫の目) ユキノシタ科 ネコノメソウ属  2012.04.08 東京都 高尾山

 

 ヨゴレネコノメは何度も見たことがありますが、一人でぽつんと立っていることが多く、なかなか群れた姿を見ることができていませんでした。 今回高尾山の山麓で、少しまとまった数で咲いている姿を見ることができました。

 

 ヨゴレネコノメ  2012.04.08 高尾山
 ヨゴレネコノメ  2012.04.08 高尾山

 

 黄色い包葉のグラデーションと、渋い色の茎葉との対比が美しい花です。 ユリワサビやニリンソウ、ミヤマカタバミなどと一緒に咲いていました。 ようやく花たちが出揃い始めた感じです。 これから花観察が忙しくなります。

 

 ヨゴレネコノメ  萼裂片はほぼ直立し、葯は暗紅色   2012.04.08 高尾山
 ヨゴレネコノメ  萼裂片はほぼ直立し、葯は暗紅色   2012.04.08 高尾山

 

 ヨゴレネコノメは好きな花のひとつです。 なぜ好きになったのか?

考えてみました。

 

・明るい色の花もいいですが、地味系統の渋い色の花も好き。

・花には失礼だが覚えやすい名前のお陰で、花に興味を持ちだしたころ

 から知っていた。 比較的楽に見ることができて、識別もし易いので

 親しみが持てた。 山で見かけると「あ、ヨゴレネコノメが咲いてる」

 と言える。

・識別し易い一方、葉の色や模様に変異が多く、飽きさせない。

 

こんなところでしょうか。

 

 ヨゴレネコノメ  2009.03.20 東京都 高尾山
 ヨゴレネコノメ  2009.03.20 東京都 高尾山

 

 ヨゴレネコノメの名の由来は、葉が褐色を帯びて、灰白色の斑紋が汚れているように見えるところから来たようです。 花弁はなく、薄褐色の小さな萼片だけです。 薄い黄色で目立つ部分は包葉です。

 

 ヨゴレネコノメ  2012.03.10 高尾山
 ヨゴレネコノメ  2012.03.10 高尾山

 

 やや暗い沢筋にいたヨゴレネコノメです。 とても渋い葉の色で大変気に入りました。 保護色のようになっていて周りの石に溶け込んでおり、危うく踏んでしまうところでした。

 

 ヨゴレネコノメは、イワボタンの変種とされています。 イワボタンの葉は本種ほど褐色になりません。 また本種の葯の色は暗紅色なのに対し、イワボタンは黄色なので識別できます。 但し、ヨゴレネコノメも開花後は黄色い花粉を出すので、この点注意が必要かも知れません。 なにせ小さな花なので見誤る可能性も あります。 参考までイワボタンの写真も掲載します。


 イワボタン (岩牡丹)  黄色い葯が識別ポイント
 イワボタン (岩牡丹)  黄色い葯が識別ポイント


 むしろ、葯の色が暗紫色のニッコウネコノメとの

識別の方が難しそうです。 参考までニッコウネコ

ノメの写真も掲載します。


 ニッコウネコノメ (日光猫の目) 萼裂片は平開
 ニッコウネコノメ (日光猫の目) 萼裂片は平開

 

 

ヨゴレネコノメ

 

本州(関東以西)四国、九州の主に太平洋側に分布。山地谷沿いの湿地に生える多年草。萼裂片は暗紫褐色~緑色で直立し先は鈍形。雄しべは4-8個で萼と同じかやや長い。葯は暗紅色、花粉は黄色。茎葉は対生し長楕円形で、褐色を帯び灰白色の斑紋がある。

 

 

2012.04.17 掲載

2012.05.03 写真と文を追加

 

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