エンビセンノウ
北海道と本州中部地方に分布。 山地の湿地などに非常に稀に生える多年草。 高さは50〜80cm程度。 葉は数対が対生し、長卵状披針形で長さ約5cm、幅約1.5cm。 花は茎の先端に密につく。 花弁は5枚、濃紅色で直径約3cm、狭披針形で2深裂し、更に2列する。 和名は、花の形状を燕の尾に見立てたもの。 花期は8月。 開発による自生地の消失や盗掘被害により、絶滅の危機に瀕している。
長野県の湿地で出会うことができました。 すばらしい色の花でした。 上の解説では濃紅色としましたが、ちょっと違う気もします。 深い赤と朱色を混ぜたような、他に例えるものが見つからないような色でした。 私たちのカメラでは正確な色が再現できていないように思えます(いろいろと条件を変えて撮ってみたのですが...)。 色彩辞典で調べたら「猩々緋」(しょうじょうひ)という名の色が少し近い気がします。
花の形も変わっていて、細く深く切れ込み、更に小さな切れ込みもあり、花の色とも相まってまるで炎のように見えます。 こんなに鮮やかな色でも、花が小さいせいか普通に歩いていると湿原の緑の中であまり目立ちません。 でも近づいてよく見ると、本当に惚れ惚れしてしまう花なのです。
ほぼすべての株の写真を撮りました(花付きの良くないもの、終わりかけてしまったものも全部)。 一度その場を離れて他の花を観察し... しばらく後に戻ってきた時にはまた撮りたくなってしまう、そんな花でした。
貴重な情報を教えてくれましたKさん、本当にありがとうございます!