珍しいマツムシソウを見ることができました。 初めて目に
したときは「栄養状態の悪いマツムシソウ?」かと思いました。
マツムシソウの変種で、東海地方(愛知、岐阜、三重、静岡西
部)の低地・丘陵地のみに分布する、ミカワマツムシソウです。
特に東海地方に散在する、蛇紋岩地で見られることが多いそう
です。 この観察地も小さな蛇紋岩地でした。
頭花は小さく、1.0〜3.5cm(マツムシソウは2.5〜5.0cm)。
舌状花はないか、あるいは3〜7個の短い舌状花を持つという特
徴があります。 小花の数も10〜30個と少ない(マツムシソウ
は75〜100個)。
蛇紋岩地は貧栄養で、土壌中に重金属が多く、これは植物を
矮小化させる要因になりますが、ミカワマツムシソウは種子を
取って通常の土壌で育てても上記の形質的な特徴を維持するの
で、マツムシソウが蛇紋岩地で矮小化したものではないことが
確認されています(通常の土壌ではやや大型化し頭花の数が増
えるという変化はあったそうです)。
1994年に発見され、2005年に新変種として発表されました。
このため所有する図鑑には載っていませんでした。
上の花には舌状花は無いように見えます。 花色は普通の
マツムシソウのような色から、白色に近いものまでいました。
上の2枚は舌状花のあるタイプですが、7個ほどと少ない。
筒状花の数もマツムシソウと比べると、とても少ないです。
マツムシソウの仲間はマツムシソウ科として分類されて
いますが、本ホームページではAPG植物分類体系(APG-lll)
に準拠しているためスイカズラ科としています。
2013.10.20 掲載
ミカワマツムシソウが掲載されたページ
Dairy-Hiroダス