ぜひ見たい花だったのですが自生地の情報がなかなか得られず、これまで葉しか見ることができませんでした。 ある日群馬県の花について書かれた文献でヒイラギソウの記事を見つけました。 自生地についてはかなり大雑把な記述で、さっぱりわかりません。 盗掘のことを考えると明記していないのは当然ですが。 しかし前後の文章も精査し地形図とにらめっこして、「このあたりではないかな?」と推測できる候補地を1箇所、絞り込めました。
ダメで元々、とにかく行ってみよー!と期待半分で出かけましたよ。 現地近くに着いて、地元の方に聞いてみても首を傾げるばかり。 やはり違うのか...と半分うなだれながら暗い谷を進んでいくと... いた!いたじゃないですか、ヒイラギソウ! やった〜!という感じでした。
やや盛りを過ぎてしまっていました。 花は薄青紫の唇形花です。 先端は2裂した上唇と3列した下唇に別れ、下唇は前に張り出し、上唇より長いです。
今回見ることができた花は、色が薄いタイプのようです。「山に咲く花」の写真はずっと濃い紫色でした。花の色は変化に富み、紅花や白花もあるそうです。
花は上部の葉腋に3〜5段につけます。 花冠の長さは2〜3cmですが、筒部が長いのが特徴です。
かつては北関東の山々のいたる所に大きな群生が見られたそうですが、園芸目的の盗掘の横行や、植林された杉の成長に伴う生育地の減少で、個体数を減らしています。 環境省レッドリスト(2007年版)で絶滅危惧1B類(近い将来絶滅する危険性が高い)に指定されています。
花冠の筒部はこんなに長いです。 同じ属のキランソウや
ツクバキンモンソウと比べるとずいぶん違った印象を受けます。
花冠の外側には短毛があります。 萼は5裂。
一番特徴的なのは、やはり葉です。 ヒイラギの葉に似ているのが
名の由来とされます。 葉は対生し、長さ5〜10cm、幅3〜6cmの
卵円形で、鋭い欠刻状の切れ込みがあります。 花がなくとも葉だけ
見てそれとわかります。 葉柄は長さ3〜5cm。
ヒイラギソウ
茨城・栃木・群馬・埼玉・東京にのみ、分布する多年草。 山地の半日陰の草地に稀に生えるが、生育地は限られる。 茎は四角形で直立して群生し、高さは30〜50cmになる。 花期は4〜6月。
2011.01.05 掲載
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平間 玲子 (月曜日, 19 5月 2014 14:42)
2014/05/19
午前中筑波山に登ってきました。女体山から逢いの峰へ向かう途中、ロープウェイへの入り口をすぎ20~30mいったところの進行方向左側の柵の向こう側に咲いていました。たまたまそばにあったベンチでお昼をとろうとして、腰をおろしていたら、ガヤガヤと4人のおばさま方が来て「あらぁステキな花!」と叫ぶと、その中の一人が割ともの静かな声で「ヒイラギソウっていうんです。葉っぱが柊ににてるので・・・」と。結局4人の仲間でなく、3人の仲間と、教えてくれた学識のあるおばさまは別グループのようでした。
hanasanpo (月曜日, 19 5月 2014 21:43)
はい... なんとコメントをお返ししたらよいものか、困惑しております...。
ヒイラギソウ (土曜日, 04 5月 2019 05:17)
埼玉県某市の川沿いにぽつんと咲く紫の花を発見。ヒイラギソウ でした。恐らく上流から種子が流れこの場合に花を咲かせたのでしょう。ただこの場合、大雨が降ると直ぐにでも流されてしまう所ですので、他の場所に植え替えをしたところ、今では見事に群生しております。きっと水はけがよく、程よい日光がそうさせたのでしょう。
Ken (土曜日, 04 5月 2019 20:55)
希少植物のヒイラギソウをレスキューできて、よかったですね! これからもっと群生が大きくなることを期待します。