長野県の里山で、バイカオウレンを見ることができました。
以前他の地域で探索したのですが失敗に終わっていたので、
ようやく見ることができたという感があります。
花は全体に丸っこい印象で、如何にも可愛らしい。花弁は
黄色い小さな部分で、花弁に見える白い部分は、萼片です。
この丸みを帯びて幅の広い萼片が梅の花を思い起こさせるこ
とが「梅花」の名の由来のようです。
本州の福島県以南から四国の温帯〜亜高山帯、針葉樹林の
下や縁に分布するそうです。 四国に咲くものは、近年、別
の特徴を持つシコクバイカオウレンとして区別されています。
あまり広くない範囲ですが、このように群生していました。
小さな可愛い花がたくさん咲いていると、嬉しく感じます。
根茎は細長く、横に這い、匍匐枝(*1)を出して繁殖する多年草です。
茎の高さは5〜15cmほど。 花の直径は12〜18mm。
花弁と萼片は、それぞれ5個です。 花は斜め上向きに
咲きます。 花茎の色は褐色です。
黄色い花弁の舷部(先端部)は丸く、浅い杯状です。
花の中央部の緑色の部分は花柱で、横に紫色の線が1本あり、
先端部は、横を向く程度に湾曲します。 花糸、葯、花粉は
白色です。
★上の写真はマウスでポインターを重ねると2〜3秒後に拡
大写真に切り替わるので、試してみて下さい。 他の写真は
クリックで拡大表示します。
上の写真の花では、花弁と萼片がそれぞれ7個ありました。
キンポウゲ科の花では、萼片や花弁の数の変異はあまり珍し
いことではありません。
シコクバイカオウレンは、花弁の舷部がもっと深いコップ
状で、花柱の先端は下方を向くほど強く反曲するそうです。
5小葉の美しく特徴的な形状の葉をつけます。
木の根元付近に生えたバイカオウレン。 窪みに
わずかに土がたまり、コケがいる部分から生えてい
ました。 左下に長い葉柄を持つ葉が見えます。
地面に生える個体の根出葉の葉柄はあまり長くならず、
地面から1cm程度浮いている感じでした。 小葉は5個
あり、倒卵形。 小葉柄はほとんどなく、浅く3裂し、
細かな鋸歯があります。 葉脈が浮き出た感じで、触ると
やや硬く、ザラザラした感触でした。
果実は袋果(たいか)で、10個できます。
ここではショウジョウバカマとの競演も見られました。 背後
の山では、花は終わっていましたが多数のコセリバオウレンの葉
がありました。 花の季節にはさぞかし見事であったでしょう。
またヒメカンアオイやヒメフタバランも見られ、とても楽しい山
でした。 ぜひまた訪れてみたいものです。
(*1) 当サイトでは、用語「匍匐茎(ストロン)」と「走出枝(ランナー)」を、
特に区別せずに使用しています。
2013.04.28 掲載
バイカオウレンの近くで見た植物
BOGGY (月曜日, 29 4月 2013 10:44)
おはよう。
セリバオウレンは近くに幾つか見られる場所があるのですが、バイカオウレンはなかなか見られなくて、これまで二度みただけです。
私にはバイカオウレンはセツブンソウによく似ていて、瞬間騙されてしまいます。葉を見て違いが分かるくらいですね。
セリバオウレンの白一色の、白い妖精のような雰囲気が好きですね。
hanasanpo (月曜日, 29 4月 2013 11:09)
BOGGYさん、おはようございま〜す!
体調はいかがですか?
確かにバイカオウレンは白い萼片と小さな黄色の花弁が、セツブンソウと似ていますね!
早春に咲くキンポウゲ科は、ミツバオウレンやヒメイチゲなど、白い妖精さんが多いですね。
ところでシライトソウをぜひ見たいのですが、ご覧になったことはありますか?
もうそろそろ季節だと思うのですが...
onsen (土曜日, 04 5月 2013 02:03)
すばらしいですね~
ぼくは今年は
セツブンソウとセリバオウレンの競演
見てきました
hanasanpo (土曜日, 04 5月 2013 02:16)
onsenさん、ありがとうございます。
セツブンソウとバイカオウレン、どちらも大好きな花ですが、まだその競演は見たことがありません。
羨ましい〜!