シモダカンアオイ
下田寒葵 ウマノスズクサ科 カンアオイ属 カンアオイ節
Asarum muramatsui var. shimodanum
日本固有種 絶滅危惧lA類(Critically Endangered)
2010年1月10日の花さんぽで葉を発見しました。 残念ながら時期が早く、花はまったく咲いていませんでした。 同年3月27日に期待して再度訪れましたが、まだ少し早かったです。 しかしたった一つだけ、開花している花を見つけることができたのは幸運でした。 地面近く、半ば土に埋もれるくらい低い位置に花をつけます。 上の写真で花の後ろの葉や茎は本種のものです。 茎はこの株では薄紫色〜暗紫色ですが、緑色のこともあるようです。
花の周りの部分は花弁ではなく萼片です。 わかりにくいですが萼片は3つに裂けており、基部は合着し釣鐘状の筒形になっています。 萼片には細かな毛が密生しているのですが... ネットでかなり調べまわっても、萼片の毛についての記述を見つけることができませんでした。 萼片の毛は、わざわざ述べるまでもない特徴なのでしょうか? あと、中央部の周辺にブツブツ盛り上がっている白っぽい部分はなんでしょう? 退化した花弁? とにかく普通の図鑑には載っていないし、山渓の「レッドデータプランツ」にも詳細は書いていないので、情報はとても少ないのです。
横から撮ってみたのですが... 「萼片の基部が釣鐘状の筒形」
であるところがよく見えませんね。 もっと後ろの方から撮る
ことを試みればよかったです。
株全体の姿です。高さは5〜10cmほど。
花の直径は約2cm。人差し指と比べてみました。
こちらの株の花はまだ蕾です。 葉は光沢があります。
蕾のアップです。
別の若い株です。 葉に光沢があります。 この株は
葉柄が緑色でした。 小さな蕾が2つ見えます。
開き始めた蕾です。 萼片が白く縁どられています。
この縁取りは、完全に開花すると萼片が反り返るので、
前からは見えにくくなります。
シモダカンアオイ (下田寒葵)
伊豆半島の限定された地域にのみ分布。 海岸近くの林内や林縁に稀に生える多年草。 伊豆の山中に咲くアマギカンアオイの変種で、葉は光沢があり、厚みがあるが、アマギカンアオイより幅広く、タマノカンアオイよりは狭い。 葉脈の陥入も両者の中間程度とされる。 フラボノイド化合物による化学分類学的見地からは、アマギカンアオイ、シモダカンアオイともう一つの変種であるタマノカンアオイは同じ種とされる(参考サイト)。
よく似た花 タマノカンアオイ(多摩の寒葵)
2011.01.02 掲載