クロヒメカンアオイ

 (クビキカンアオイ)

 

黒姫寒葵 ウマノスズクサ科 カンアオイ属 カンアオイ節

Asarum yoshikawae

日本固有種

クロヒメカンアオイ  2013.05.2 新潟県西部(このページの写真すべて)
 クロヒメカンアオイ  2013.05.2 新潟県西部(このページの写真すべて)

 

 新潟県は上越地方の花さんぽで出逢うことができました。 富山県の東部から新潟県の西部に分布します。 山地の林床などに生える多年草で、高さは5〜8cmほどです。 遠目ではコシノカンアオイに似ていますが、萼筒が長卵形で、萼筒口が小さいのが特徴です。 花期は4〜5月。

 

 和名は、新潟県糸魚川市の黒姫山周辺にも自生地があることに由来すると思われます。 クビキカンアオイ(頸城寒葵)の別名があります。 また本種はギフチョウの幼虫の食草でもあります。

 

クロヒメカンアオイの葉
 クロヒメカンアオイの葉

 

葉は広卵形~腎円形で、長さは5〜8cmのほど。 光沢があります。

 

クロヒメカンアオイ 濃黒紫色の花  萼筒口が小さいことがわかります
 濃黒紫色の花  萼筒口が小さいことがわかります


 図鑑には「花色は濃黒紫色」とあり、その通りの花がいました。 しかし変異も多いようで、緑色が濃い花もありました。  花が濃黒紫色の株は、葉柄の色は褐色です。


 

 緑色の花の個体。 濃黒紫色の個体と比べ、葉や花の形状に差異は

ないように見えます。 しかし葉柄の色は花と同じく、緑色でした。

 


緑色の花と、その葉の裏面。 葉には毛がないようです。


 

 濃黒紫色と緑色の中間のような個体。 葉柄は緑色。 萼筒口が小さいですね!直径は4mmほどしかなさそうです。 とても小さな萼筒口が、本種の特徴です。

萼筒口の環は、ほとんど目立ちません。

 

クロヒメカンアオイ 萼筒口から6個の花柱が見える
 萼筒口から6個の花柱が見える

 

 雄しべは12個。 花柱は6個で、上部が2裂します。 長さは萼筒とほぼ同長なので、萼筒口から花柱の先端が見えます。 萼筒口から出るか出ないか、くらいの長さでした。 花柱の先はつの状になります。

 

 

 萼筒の長さは20〜25mmほど。 形状は長卵形で、上部がやや狭まりますが、くびれはありません。 また、萼裂片の基部には横じわがありません。

 

 

2015.11.15 掲載