花さんぽ 2010-12                              ←前へ  下へ▼  次へ→

 

 6月19-21日    みちのく花さんぽ (後編)

 

6/21(月) 福島市の公園、いわき市の山と海岸

 

− 福島市 川沿いの自然公園 −


オニノヤガラ 鬼の矢柄 ラン科
 オニノヤガラ

 

みちのく花さんぽの3日目。まず福島市の川沿いの公園に向かった。 第一の目的はトケンラン

 

歩き始めて最初に目に飛び込んで来たのはオニノヤガラ。 林の中のあちらこちらに、にょきっと立っている。 予想外にお初の花に出逢えた。 ランなのに、こんなにひょろ〜んと背が高くて本当に驚いた。

 

「鬼の矢柄」と書く。 花茎が長くまっ直ぐ伸びた姿を鬼の使う矢に見立てた。 確かにこのちょっと特異な姿はそんな風にも見える。

 

 

オニノヤガラ (鬼の矢柄) ラン科
 オニノヤガラ (鬼の矢柄) ラン科

 

 葉緑素を持たない腐性ラン。 葉もない(薄い破片のようなものは残っている)。 高さ60~100cm。 ナラタケ菌という菌と共生している。 オニノヤガラが発芽すると、ナラタケ菌は菌糸を伸ばして、オニノヤガラの組織内へ入り込んでくる。 オニノヤガラは菌糸から栄養もらい、根はジャガイモより大きな塊に生長し、そこに蓄えた養分で一気に花茎を伸ばす。

 花は黄褐色で、3枚の萼片が合着し、壷状になる。 その中に2枚の側花弁と細かく裂けた唇弁がある。  よく見るとおちょぼ口でなかなか可愛い花である。


オニノヤガラ
 オニノヤガラ
オニノヤガラ
 オニノヤガラ
オニノヤガラの茎 鱗片葉が見える
 オニノヤガラの茎 鱗片葉が見える

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サイハイラン 采配蘭 ラン科
サイハイラン 采配蘭 ラン科

 サイハイラン(采配蘭)もたくさん咲いていた。 サイハイラン>を初めて見れたのは2006年の新潟だった。 初めてだったのでとても感激したのを覚えている。 その後は目が慣れたのか、毎年あちこちで目にするようになり、特に珍しいランであるとは思わなくなった。

 しかしこの公園の群生は見事だった。 春に訪れた時に多くの葉を確認していたが、これだけたくさん花が咲くとすごい。 下のビデオでは最後の方に黄色いサイハイランの一群も見える。

 

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で、第一目的の<トケンランは? はやる気持ちを抑え以前教えていただいた場所に行くと... ガ〜ン!花が終わっていた〜! みんな果実になってしまっていた...

 

トケンランの果実
 トケンランの果実
トケンランの果実
 トケンランの果実

 

 公園の管理事務所の方に尋ねると、今年のトケンランは咲き始めが遅かったのに、咲いたらあっと言う間に終わってしまったとのことだ。 ランは花期が長いのできっと見ることができると思っていたのでガッカリだが、仕方がない。 きっと今年の天候不順の影響もあるのだろう。 気を取り直して次の目的地である、いわき市の山に向かうことにした。

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− いわき市の山 −

 
ウメガサソウ 梅笠草 ツツジ科
 ウメガサソウ 梅笠草 ツツジ科

高速道路で一気に南下し、いわき市へ。 福島県は道路事情が良いので移動が楽だ。目的地は、春に花パパ・花ママさんに案内していただきコアツモリソウを見ることができた山。 その時にヒトツボクロの葉を確認していたので、咲いていることを期待して見に来たのだ。

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車を林道入り口に停め、身支度を整えて歩き始めるとすぐにウメガサソウを発見! 幸先が良いスタートだ。 ツルアリドオシにも出逢えました。

アリドオシ 蔓蟻通し アカネ科
 ツルアリドオシ 蔓蟻通し アカネ科
ヤマブシタケ?
 ヤマブシタケ?

 

 切り株に生えているキノコを見つけた。

ヤマブシタケという種類だろうか?

最近は東京のスーパーなどでも見かける

ことがあるが食したことはない。

ヤマブシタケ?
 ヤマブシタケ?
ヒトツボクロ一黒子 ラン科
 ヒトツボクロ 一黒子 ラン科

咲いていてくれました、ヒトツボクロ! 写真の下方に1枚だけ見える大きめの葉が、ヒトツボクロの葉。 葉は1枚しか付けない。 若い葉はホテイランの葉に少し似ている。 とても縁細い花茎を延ばし、薄黄色のような小さな花を5〜10個つける...

 

えっ?花茎も花も見えない? やっぱりそうか〜見えませんか〜 実はすごいピンボケ。 今まで出逢った花で撮影が最も難しい部類に入る花だった。 「下手な鉄砲、数撃ちゃ当たる」と思いたくさん撮ったが、全部外れた... すごく暗かったし...(言い訳)

 

でも見たかった花が見れてよかった!(と自分を納得させる)

 

ヒトツボクロ
 ヒトツボクロ
ヒトツボクロ
 ヒトツボクロ
ヒトツボクロ
 ヒトツボクロ
アオフタバラン(花芽)
 アオフタバラン(花芽)

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 春には葉だけだった、アオフタバランに花芽が出ていた! この花も咲いている姿は見たことがない。見たいよ〜! しかし気になることがあった。 春には50以上の株を数えたのに、今回は15程度しか確認できなかった。 大雨で流されてしまったのだろうか?

アオフタバラン(花芽)
 アオフタバラン(花芽)

 

− いわき市の海岸 −

 

 2泊3日の花さんぽも、いよいよ最終ステージへ。  ヒトツボクロの咲く山を一気に下り、いわき市の海岸に来た。 目的は、ハマカキラン。 海岸沿いのクロマツの下に生えるという。 駐車場に車を停めさっそく探索開始!

 

 

海岸で出逢った花たち

 

ハマナス
 ハマナス
シロバナハマナス
 シロバナハマナス

スイカズラ
 スイカズラ
シャリンバイ
 シャリンバイ

トベラ
 トベラ
コウボウムギ
 コウボウムギ

ハマヒルガオ
 ハマヒルガオ
ハマヒルガオ
 ハマヒルガオ

ハマカキランはどこに?
 ハマカキランはどこに?

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 ハマカキランを求めて、クロマツの林に入る。 海岸沿いに広大に広がるこのクロマツ林の、いったいどこにいるのだろう... と思っていたら、あっけなくすぐに見つかった。 樹木がやや疎な明るい場所にいた。 しかし...時期が早過ぎた! まだ蕾だった〜!

 

 

 残念ながら花を見ることはできなかったが、ハマカキランの咲く場所は確認できた。緑色をして形はカキランに似た花だという。 次回どこかで見るのが楽しみだ。

 

 

 標高1758mの蔵王連峰は刈田岳の頂上から、海抜0メートルのいわき市の海岸へ。 今回は水平方向の移動距離も大きかったが、垂直方向の移動もあった。 ピンポイントで花の咲く場所を求めて文字通り山、川、海と走り回った。 連日の雨の予報にも関わらず花を見ている時にはほとんど雨に降られることはなく、運も味方してくれた。見ることができなかった花もあるが、思わずして出逢えた花もあった。 情報を提供してくれた方たちに感謝! とても楽しい花さんぽでした。