花さんぽ 2010-10                              ←前へ  下へ▼  次へ→

 

 6/19-20    みちのく花さんぽ (前編)

 

6/19(土)〜6/20(日)午前 蔵王連峰

 

 

みちのくの花さんぽに行ってきた。開始地点の蔵王連峰は、山形県と宮城県の県境にある。花さんぽ史上、最北端の地である。

 

− 蔵王連峰 山麓の花 −

 

 宮城県側から車で登る。 道幅は広いく走り易いがけっこう急な

上りが続く。観光バスは大きなエンジン音をたてて上がって行く。

道幅がぐっと広くなった所で一休み。 周辺は深いブナの森。 その

せいなのか、ちょっと変わった香りがあたりに立ちこめている。

車が走り去ると静まり返る。 「何かいそう」周辺を探してみたら、

いろいろな花たちが出迎えてくれた。

 

ウメガサソウ 梅笠草 ツツジ科
ウメガサソウ 梅笠草 ツツジ科

 

 ウメガサソウは一昨年、野反湖で初めて出逢った。 その後は

目が慣れたのか、いろいろな場所でたくさん見ることができるよ

うになった。 野反湖では非常に数が少なく、今でも咲いている

場所は自分たちが見つけた場所以外にないだろうと思っている。

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コナスビ 小茄子 サクラソウ科
コナスビ 小茄子 サクラソウ科

 

 コナスビは日本各地の平地から山地の道端や畑に生える多年草。

葉脇からごく短い花柄を出して黄色い5弁花を付ける。 花は葉に

隠れるように付く。 サクラソウ科なのも驚きだが、オカトラノオ

属と知って驚く。 姿はまったく違うのにね。

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ギンラン 銀蘭 ラン科
ギンラン 銀蘭 ラン科

 

今回は山麓から山頂近くの湿原まで、

たくさんのギンランを見ることができた。

葉はササに似ているが、花より高くなかったので

ササバギンランではなくギンランとした。


キク科 調査中
キク科 調査中
キク科 調査中
キク科 調査中 上の株の花

 

図鑑を調べればすぐにわかるだろうと思ったが、

まだわからない!キク科は難しい。

 

キク科 調査中
キク科 調査中

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ハナヒリノキ 噎の木 ツツジ科
ハナヒリノキ 噎の木 ツツジ科
ハナヒリノキ
ハナヒリノキ

 

 ハナヒリノキは始め名前がサッパリわからず、おくちゃん

sakuraさんに教えて頂きました。 「噎」にはむせる、むせ

返るという意味があるらしい。 有毒植物で、葉を粉にして

殺虫剤として使用したそうだ。 その粉を吸い込むとむせ返る

のでこの名が付いたようだ。緑色をしたツツジ科の花は初めて

見た気がする。

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ベニバナニシキウツギ スイカズラ科
ベニバナニシキウツギ スイカズラ科

 

ニシキウツギの変種。 今回ニシキウツギは山腹から山頂下

まで非常に多く見られたが、本種の数は少なかった。

 

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− 蔵王連峰 中腹〜山頂付近の花 −

 

 

 峠もだいぶ近づいた所で車を置ける場所があり、軽く周辺を

探索した。ハクサンチドリがたくさんいて驚いた。 車からも

あちこちに咲いているのが見えたのだが、駐車できる場所がな

く車内から手を振って挨拶するだけであった。 ここにはたく

さん咲いていて、しかも見頃の時期のようであった。 とても

豪華なランだ。 峠を越えても道端にたくさんいて...だんだん

写真を撮ろうとも思わなくなる程。

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アカモノ 赤物 ツツジ科
アカモノ 赤物 ツツジ科

 

 大好きな花の一つ。 旬のアカモノは本当にべっぴんさん

である。 白い花にほんのり付く薄い赤色のグラデーション

が絶品だ。 別名イワハゼ。 日当たりのよい高山や深山に

生える常緑低木。

 

ハクサンチドリ 白山千鳥 ラン科
ハクサンチドリ 白山千鳥 ラン科
ハクサンチドリ
ハクサンチドリ

 

 ハクサンチドリはいかにも高山のランといった風情。 とても

豪華な感じがするランだ。 ホームフィールドの野反湖ではあま

り数が多くなく、いつも時期が遅かったり早かったりで、見頃を

逃していた。 ここでは丁度見頃で、しかも山頂下では非常に多

数見ることができた。

 

ハクサンチドリ
ハクサンチドリ
ミヤマオダマキ 深山苧環 キンポウゲ科
ミヤマオダマキ 深山苧環 キンポウゲ科
ミヤマオダマキ
ミヤマオダマキ

 

ミヤマオダマキ、すばらしい花だと思うのだが...

なぜか感動しないのだよね。

どこかの庭先の園芸種を見過ぎたためか。

この花も植えられたものかも知れない。

な〜んて思ってしまうのだ。 花に罪はなし。

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コマクサ 駒草 ケシ科
コマクサ 駒草 ケシ科

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マルバシモツケ 丸葉下野 バラ科
マルバシモツケ 丸葉下野 バラ科

 初対面の花。

山地~高山帯の岩礫地などに生える落葉低木。

この写真の花はまだ咲き始め。


 

 峠を越えて広い駐車場に車を停め、身支度を整えて湿原へ。

傘がいらない程度の雨。 視界は悪い。 レインウエアの上着

だけ着て、カメラはコンビニの袋に入れる。 人はほとんどい

ない。 今回の第一目標の花であるヒナザクラに出逢うのに、

さほど時間はかからなかった。 素晴らしい群生。 そのまま

進むとすぐに宮城県から山形県への県境を越えた。 山形県で

の初花さんぽだ。

 

ヒナザクラ 雛桜 サクラソウ科
ヒナザクラ 雛桜 サクラソウ科
ヒナザクラ
ヒナザクラ

 

 この花を見にはるばる来たのじゃ〜! 高さ10cmほどか。 白く清楚な花。 サクラソウ科でピンク色系以外の色を見たのは初めてだと思う。 始めは雨に濡れそぼってうなだれていたが、雨が上がり辺りが明るくなると、頭を起こしてくれた。 初めて見ることができ、大感激。


ヒナザクラ
ヒナザクラ
ヒナザクラ
ヒナザクラ
ヒナザクラ
ヒナザクラ こんなにごっそり咲いていてくれたんですぜ。
ミネズオウ 峰蘇芳 ツツジ科
ミネズオウ 峰蘇芳 ツツジ科

 

ミネズオウも初めて見ることができた。

小さな花がまとまってつく。

白い花に、薄いピンクのグラデーションが

なんとも美しく、赤い葯もかわいい。


ミネズオウ
ミネズオウ

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チングルマ 稚児車 バラ科
チングルマ 稚児車 バラ科

 

 チングルマは湿原いっぱいに咲いていた。

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ミツバオウレン 三葉黄蓮  キンポウゲ科
ミツバオウレン 三葉黄蓮  キンポウゲ科
イワカガミ 岩鏡 イワウメ科
イワカガミ 岩鏡 イワウメ科
イワカガミ 岩鏡 イワウメ科
イワカガミ 岩鏡 イワウメ科

 

イワカガミは大好きな花の一つ。

ここではあちこちにたくさん咲き、

モデル選びに困らない。

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モウセンゴケ 毛氈苔 モウセンゴケ科
モウセンゴケ 毛氈苔 モウセンゴケ科
モウセンゴケ
モウセンゴケ

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ツマトリソウ 褄取草 サクラソウ科
ツマトリソウ 褄取草 サクラソウ科

 

 なんとサクラソウ科である。 このページの上にあるヒナザクラと

姿がまったく異なり、同じ仲間とは信じがたい。 花冠は深く裂け、

しかも螺旋状に重なっているのでまるで離弁花のように見える。

「妻取り草」ではない。 図鑑によると『裂片の先にやや赤く染まる

つまどりがあることからこの名がある』とあるが、「つまどり」って

何だ?

 辞書で調べると3つほどの意味があったがどうやらその1つ『「褄取

威(おどし)」の略。』であるようだ。 では「褄取威」とは? 更に

調べると、『袖や草摺(くさずり)の端を斜めに、地色とは別の色で威

したもの。』とあった。ようやくわかった気がする。

でも「草摺」って?

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ガクウラジロヨウラク 萼裏白瓔珞 ツツジ科
ガクウラジロヨウラク 萼裏白瓔珞 ツツジ科
ガクウラジロヨウラク
ガクウラジロヨウラク
コバイケイソウ 小梅形草 ユリ科
コバイケイソウ 小梅形草 ユリ科

 

花はまだ蕾だった。

この葉の造形は本当にすごい。

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ノビネチドリ 延根千鳥 ラン科
ノビネチドリ 延根千鳥 ラン科
ノビネチドリ
ノビネチドリ

 

立派なノビネチドリに出逢えた。

ハクサンチドリと同様、豪華な感じがする。

ハクサンチドリと異なり、葉の縁が波打つので

すぐに見分けられる。色の濃さのバリエーションがあった。

ハクサンチドリに比べると、数は少なかった。


ノビネチドリ
ノビネチドリ

 

 

− 刈田岳 山頂付近 −


イワカガミと眺めるお釜
イワカガミと眺めるお釜

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コメバツガザクラ 米葉栂桜 ツツジ科
コメバツガザクラ 米葉栂桜 ツツジ科
コメバツガザクラ
コメバツガザクラ

 

コメバツガザクラは初対面の花。

楕円形の葉の中央の主脈が目立ち、

米に似ているのでこの名になったそうだ。

釣り鐘型の花はちょっとコケモモにも似ているが、

本種の花冠は先が急に細くつぼまっておちょぼ口になるが

コケモモはこんなに細くならない。

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マイヅルソウ
マイヅルソウ

 

ここのマイヅルソウは、花の大きさは他の地域で見られる

ものと大差なかったが、葉がとても大きかった。


ハクサンチドリ(白花)
ハクサンチドリ(白花)

 

まだ蕾なので開花するとどうなるかわからないが、

他にはない白さを持ったハクサンチドリだった。

 

コメント: 6 (ディスカッションは終了しました。)
  • #1

    yamabaka500 (水曜日, 30 6月 2010 21:12)

    KENさん:
    いつも綺麗な写真有難う御座います。
    蔵王は花の宝庫ですね。
    ミヤマオダマキ・・・何処でもそだつのでしょうか。
    都幾川の茶畑にもワンサと咲いていました。
    背が大きくガッシリとしていてxxミヤマオダマキで
    一般の高山植物と言われる物とは違うとか言ってました。
    写真は跡の祭りで撮っていません。

  • #2

    hanasanpo (水曜日, 30 6月 2010 22:10)

    yamabaka500さん、コメントをありがとうございます。
    編集中にいらっしゃったのでビックリしました。
    蔵王は花の山でした。花の種類として見ると野反湖も決して引けを取りませんが、個々の花の数は圧倒的なものがありました。蔵王の方がスケールは大きいので仕方ないですね。
    ミヤマオダマキは数多くの園芸種があるようですが、それは高山植物の中では育て易いと言われていることもあるようです。園芸種はガッシリしているようですよ。
    ミヤマオダマキの写真を1枚追加することにしました。

  • #3

    かずりん (金曜日, 02 7月 2010 17:06)

    綺麗な花の写真が 色々ありまして 素敵なHPですね。

    山の花を見ることが出来て嬉しいです。(^0^)

  • #4

    hanasanpo (金曜日, 02 7月 2010 21:24)

    かずりんさん、いらっしゃいませ!
    お褒めいただき、どうもありがとうございます。
    紹介したい花の写真は山ほどあるのですが... なかなか進めることができません。
    不定期ですが更新はし続けていますので、ぜひまた遊びに来てくださいね。

  • #5

    花好きhiro (月曜日, 17 8月 2020 19:00)

    わざわざ(私が住んでいる)宮城県まで来てくださりありがとうございました。キンランはありましたか。マイヅルソウはまだ花見たことがなくて、見たいなーと思っていたところでした。ハクサンチドリも同じで、見たいと思っている花の1つです。
    ミヤマオダマキはうちの山に原種らしき花が咲いていました。青の濃さが大好きです。いっぱい花がありますね。

  • #6

    Ken (金曜日, 21 8月 2020 20:33)

    キンランは見ていないと思います。マイヅルソウは、比較的数が多く、見つけることが容易な花だと思いますので、花の季節に山に行けば出会える可能性は高いと思います。ハクサンチドリは、蔵王山あたりにたくさん咲きそうです。

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