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 9月15日       北関東の高原探索

 

 高原にご在住の方のブログに『森にはアケボノシュスランがたくさん咲いています』との情報が載っていました。 アケボノシュスラン、まだ見たことがない花です。  さっそく高原に向かいました。 今日はHiroが仕事なので、珍しく単独行です。

 

 湿原からは少し離れた目的地に到着、ブログ作成者の方のお宅を探し出し、躊躇せず呼び鈴を押します。 頭を下げて、アケボノシュスランが咲く場所を教えてもらうつもりでした。 しかし、残念ながらご不在。 ならば自分で探すしかありません。

 

 いったいどれくらい歩くことになるかわからないので、靴、雨具、携帯食料、熊鈴など、装備を固めます。 やや離れた場所に登山道らしき入り口を見つけました。 『ここだろうか?』 今日は一人なので相談できる相手はいません。 気合いを入れて、薄暗い林内に踏み込みます。

 

 入って7〜8歩、10メートルもしない所で、足下に何か白いものがあります。 しゃがんでよく見ると... 「こ、これは!?」

 

アケボノシュスラン (曙繻子蘭) ラン科 シュスラン属  本当に足の踏み場もないほどたくさんいました
 アケボノシュスラン (曙繻子蘭) ラン科 シュスラン属  本当に足の踏み場もないほどたくさんいました

 

 登山道に入ったとたんに、目的のアケボノシュスランを見つけてしまいましたた! 周りを見渡すと、すごい数です。 花を付けているものは1割ほどでしょうか。 しかし花を付けていない株も含めると、足の踏み場も無いほどに、元気に生えていました。 野生ランとしては、大群生していると言ってよいでしょう。

 

アケボノシュスラン
 アケボノシュスラン

 

 花の見頃には、時期は若干遅かったようで、終わりかけの

花も少なくありませんでした。 数日前がベストだったかな?

 

アケボノシュスラン
 アケボノシュスラン

 

 良く見ると、茎が地面を這い回り、上部が10〜15cmほど真っ直ぐ

立ち上がり、その先に10〜20個ほどの花を付けています。

 

アケボノシュスラン
 アケボノシュスラン

 

  花は白色に近いのですが、ほんのりと肌色に近いような色を

帯びています。 このように上品な色合いの花は、他にあまり

見たことがない気がしました。

 

アケボノシュスラン
 アケボノシュスラン

 

 開いた花は、まるで孵化した小鳥が親鳥にエサをねだっている

姿に似て、かなり可愛いです。 ピヨピヨと声が聞こえて来そう

です。 葉は3脈が目立ち、なかなかシックです。

 


 上のビデオは2007年に購入したガラケーで撮影したものです。 ピンボケ、ブレブレのひどい画質ですが、自生地の雰囲気を伝えられるかと思い、載せました。

 

 この高原は一部がいろいろ開発されてしまっていますが、アケボノシュスランの森は、それらの狭間でなんとか元々の森の姿を保っているように見えました。 県によっては、絶滅危惧種に指定されているこの花が、これだけたくさんいるからには、他にも何かいるのでは? と感じました。  周辺を探索したら、下の写真のような「秋の実り」が見つかりました。  季節を変えれば、またもっといろいろ見つかりそうです。

 

ズダヤクシュの果実
 ズダヤクシュの果実
コバノイチヤクソウの果実
 コバノイチヤクソウの果実

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コバノフユイチゴの果実
 コバノフユイチゴの果実
不明のキノコ
 不明のキノコ

 

 せっかくこの高原まで来たので、湿原の様子も確かめてみることにしました。

草木の紅葉が始まっていました。 人は一人も見かけず、湿原は秋の冷気の中で静まり返っていました。

 

ヤマウルシの紅葉
 ヤマウルシの紅葉
ヤマウルシの紅葉
 ヤマウルシの紅葉

ヤマトリカブト
 ヤマトリカブト
ヤマトリカブト
 ヤマトリカブト

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ハクサンタイゲキの草紅葉
 ハクサンタイゲキの草紅葉
ハクサンタイゲキの草紅葉
 ハクサンタイゲキの草紅葉

タムラソウ
 タムラソウ

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コウメバチソウ ウメバチソウの高山型 仮雄しべは7〜11裂する
コウメバチソウ ウメバチソウの高山型 仮雄しべは7〜11裂する


 高原の秋は深まっていましtが、それでもいくつかの花や紅葉を楽しむことができました。 目的のアケボノシュスランにも出会えたし、大満足の一人花さんぽでした。


オリジナルレポートp.2
 オリジナルレポートp.2

 

2015.06.26 掲載

( 当時のレポートを基に作成し直しました )

 

 

コメント: 4 (ディスカッションは終了しました。)
  • #1

    みっちゃん (金曜日, 26 6月 2015 22:31)

    案内人なしで「アケボノシュスラン」と出会えたとは凄まじい執念の世界ですね。
    超能力が働いているとしか考えられませんね。
    単独行でのこの快挙は称賛に値しますね。
    これからのレポートますます楽しにになってきました。

  • #2

    hanasanpo (金曜日, 26 6月 2015 22:50)

    みっちゃんさん、こんばんは。

    いえいえ、執念なんてとんでもない。
    「見られたらいいな」くらいの軽い気持ちで行きました。
    ただ、ラン科の植物に関しては、フラフラ歩いていると引き寄せられるように自生地が見つかることがあります。
    昨年トラキチランを探して山道を歩いていた時も「ココダヨ。ココ」と囁くような声を聞いた気がして、その方向に分け入ったら1株ひっそりと佇んでいたことがありました。 ここまで来ると、半分病気なのかも知れません(?)。

  • #3

    ゆき (土曜日, 27 6月 2015 20:16)

    こんばんは、HIROさん、Kenさん、今回は、お一人での花さんぽ、あけぼのシュスランの大群生、すごいです、案内なしでも、見つけて、素晴らしいお力です、高原にも、あるんですね。あけぼのシュスラン、コウメバチ草、かわいいお花ですね、ありがとうございます。自生のあけぼのシュスランの場所も、開発から、逃れて、嬉しいです。貴重な自然ですね。

  • #4

    hanasanpo (土曜日, 27 6月 2015 21:41)

    ゆきさん、こんばんは!
    7年も前の事のレポートですが、読んでいただきありがとうございます。
    すごく運がよかったのだと思います。
    でも目の前に目的の花がたくさん咲いているのを見つけたときは、本当に嬉しかったです。 日本にはまだまだ素晴らしい自然が残されているのですが、そのことにに気づかれていないことが問題だと思います。 日本の財産をもっと大切にしたいですね。