7月5-6日 真夏の野反湖 その1 p.1/3
野反湖は、私たちの花観察のホームフィールド。 ここで出会えた花たちは230種を超えます。 まだ自分たちが出会えてない花もあるし、誰にも発見されていない花もあるかも知れない。 花の観察は、咲いている時ばかりではなく、芽を出す前から、発芽〜花芽〜開花期〜果実期、そして枯れる、までの一生を見てみたいので、とても時間がかかるのです。 だから特にハイシーズンには何度も訪れます。
今回の訪問は花観察以外の目的もありました。 野反湖のずっと手前、暮坂峠にある複合施設「花楽の里」(からくのさと)で、私たちの「野反湖の花 写真展」が開催されているので、その様子を見に行くのです。
写真展示の準備作業ができるのは平日のみでしたので、仕事を休めず自分たちで作業することはできませんでした。 このため開催までの会場の準備は、すべて六合村の「宿・くじら屋」さんのご主人、六合村役場のみなさん、そして花楽の里の管理人の方にお願いしたのです。 その節は大変お世話になりました。 この場を借り、改めて御礼申し上げます。 どうもありがとうございました。
写真展会場となった花楽の里。六合村のパネル展示、特産品販売、食事処などがあり、フラワーアレンジメント教室なども開催される観光スポットの一つ。
立派な展示室。やはりこんな場所に展示してもらえるとうれしい。照明で写真も一際映えていました。落ち着いた雰囲気でゆっくり鑑賞できます。
展示室は広く、あと数枚増やしても全然余裕だったな〜と思いました。
会津若松市の友人、M氏からお祝いの花が届けられていました。こっそりこんなニクいことをします。
この日は遅く家を出たので野反湖に着いたらもう夕方。 野反峠休憩舎でNさんとしばしお話した後、今日の宿である第1キャンプ場のバンガローに直行。 翌朝はまずまずの天気で花日和。 まずは第1キャンプ場エリアから花散策することにしました。
★ 第1キャンプ場エリア ★
山の花に興味を持ち始めた頃、この花は憧れの花でした。名前からしていかにも山の花っぽいし、いつかは見たいと思っていました。 実は山ではあちこちに咲いていて、そう珍しい花ではないと後でわかるのですが、今でも見つけると「お、エンレイソウだ!」と声に出してしまいます。 3づくしで有名な花です。 大きな葉は3枚、雄しべの数も3の倍数で6個あります。 3枚の花弁に見えるのは蕚です。 芽吹いてから花を咲かせるまでに10〜15年もかかるそうです。古い分類体系ではユリ科に分類されています。
背丈は1.2m位に見えました。 大きいのでよく目立ちます。 茎に稜がなく丸いのと、花弁の付け根に緑色の小突起があるのでアマドコロでないのは確か。 年期が入ったナルコユリではないの?と言われるとちょっと自信が無い。 若いオオナルコユリより、成長したナルコユリの方が大きくても不思議は無い気もするからです。 栄養状態や環境に左右されるので、植物を大きさだけで判断するのは危険。 しかしこの花は葉の形などからもオオナルコユリで間違いないと思います。古い分類体系ではユリ科に分類されています。
.
白い花は、シロバナニガナ。 ニガナの亜種です。 ニガナの舌状花は普通5個ですが、シロバナニガナは8〜10個と多く、変種とするには明確な差異があるので亜種として扱われているようです。 そして黄色の花はハナニガナ。 この花はシロバナニガナの品種です。 色以外は大きな差異はなく、変種ではなく品種とされているようです(科>属>種>亜種>変種>品種)。 第1キャンプ場に限らず、野反湖ではいろいろな場所で普通に見ることができます。 一緒に咲いていることが多いです。
.
小さな星形の花を咲かせるオオヤマフスマは、たくさん集まると美しい。 花の中央部には10本の雄しべと少し太めの花柱が3本あります。 この写真では朝露に濡れ、雄しべはよく見えません。
.
タニギキョウは、薄暗い木陰のやや湿った所が好き。 ちっこい花ですが、よく見ると、とてもかわいい花なのです。
ゼンテイカ(禅庭花)は、ニッコウキスゲ(日光黄菅)とも呼ばれます。 野反湖に咲く花の中では、一般ウケする花の代表格でもあります。 第1キャンプ場に咲くものは野反峠から移植されたものと聞きました。 かつては野反峠の斜面を埋め尽くすがごとく咲いたようですが、最近はササの進出で激減しているようです。 とはいえ、当たり年には一面に咲いて、素晴らしい光景が楽しめるらしいです(その時期に行ったことはありません)。 地元の新聞にも紹介されたりし、観光客が大挙して訪れるようです。
通常は上の左の写真のように花弁は6個ですが、今回右の写真ように、倍の12個ある八重咲きの花を見つけました。 とても豪華で、迫力がありました。
朝咲いて、夕方にしぼむ一日花と言われますが、野反峠休憩舎のNさんは夜咲く花を見たと、自著の図鑑『花かおる 野反湖』(ほおずき書籍)に書かれています。
Hiroが、ツマグロヒョウモンの雌を見つけました。 1980年代までは近畿地方以西でしか見られなかったそうですが、北に生息範囲を広げ、北関東でも普通に見られるようになったそうです。 ただ、標高1500mを超える野反湖にいたのは驚きました。
他の掲載ページ
オオヤマフスマ
ゼンテイカ(ニッコウキスゲ)
Dairy-Hiroダス
花さんぽ
2008年7月19-20日 真夏の野反湖 その2! p.1/3
野反湖 7月の花(2) (上とほぼ同じ写真です)
ハナニガナ
Dairy-Hiroダス