4月20日 足利・桐生の低山 2/3
ナツトウダイもいました。 いろいろな植物が次から次と見つかるので、なかなか移動できません。 ここまで登場した花は、フデリンドウとヒメハギを除いて、すべて同じ場所で見ることができました。
ナツトウダイの花は雌性先熟。 雌花が受粉し、外へ垂れ下がった後で、雄花の黄色い葯から花粉が出ます。 上の右側の写真、左手前の花はボケボケですがなんとかその様子が見て取れます。 花序の腺体は4個あり、先端がとがったUの字形で、クワガタムシの角を連想させます。 腺体は通常紅紫色のようですが、ここで見たものは緑色をしていました。
さて、ようやく撮影を終えて足利市を離れ、桐生市に向かいました。
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シロヤブケマンは、ムラサキケマンの1品種です。 花の先端のみ紫で、残りは白です。 この写真のみ2006年4月の撮影です。 この株は濃い紫と白のコントラストが美しい美人さんで、大変気に入っていました。 鳴神山の登山口にある施設の駐車場脇に咲いていたのです。 今回この株を見に行く事も目的の一つでだったのですが、なんと駐車場の工事でブルドーザーなどが入り、跡形も無くなっていました。 こんな美しい株にはなかなかお目にかかれないのに... かなりガックリ来ました。
花全体がほとんど白いものは、ユキヤブケマンと言います。 それらの中間型の色の花もいます。
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実は本当にシロヤブケマンでよいのか断定できない気がしています。 カラクサケマンという帰化植物とよく似ているとわかったからです。 果実が1種子であることから、果実を見れれば判断できたと思うのですが... どなたかご意見をいただけると幸いです。 更にニセカラクサケマンという植物もいるようで、益々混乱します。
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2017.04.06、上記2枚の写真の花を、シロヤブケマンから不明種に変更しました。 シロヤブケマンではないとした理由は、以下です。
・花冠の形状が異る。シロヤブケマンよりも太く、ぽってりした感じである。
・花冠の白い部分が、シロヤブケマンよりも白い。 シロヤブケマンも白いが、純白
という感じではない。
・花冠の先端が濃紫色である。 シロヤブケマンは、もっと淡い紫色。
・花冠先端の開口が小さく、いわゆる「おちょぼ口」である。
シロヤブケマンではないとすると、外来植物のニセカラクサケマンやセイヨウエンゴサクの可能性がありますが、それぞれ萼片の長さが花冠の1/2、1/3だそうです。 上の写真の花は、拡大して見ると萼片が非常に短く、また小さく、まるで短いヒゲ状で、花冠の長さと比較するようなものではありませんでした。 よってこれらの外来植物でもないことになります。 他に該当する植物がわからず、現時点では不明種とせざるを得ません。
普通のムラサキケマンは咲いていました。 日本各地に分布し、関東ではどこでも普通に見られる花です。 あまりによく見るので写真を撮りもせず、当サイトにもほとんど掲載していません。
有毒植物で、誤植すると危険な中毒症状を引き起こす可能性があります。 ウスバシロチョウの幼虫の食草の一つで、このためウスバシロチョウも同じ毒を持ちます。
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この日4種めのケシ科キケマン属です。 ミヤマキケマンはフウロケマンの変種で、本州の近畿地方以東にの山野に広く分布します。 葉は長卵形で1~2回羽状に深裂し、小葉にも切れ込みがあります。 蒴果は線形で長さ2〜3cm、数珠状です。
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カテンソウもイラクサ科の第一走者だと思います。 山地の木陰に生えます。 花は小さく目立ちませんが、光沢のある三角形の葉は目につき易い。花のアップがうまく撮れませんでした。いつか再挑戦します。
カテンソウ
花さんぽ