シロバナヤマルリソウ
白花山瑠璃草 ムラサキ科 ルリソウ属
Omphalodes japonica (Thunb.) Maxim. f. albiflora S.Okamoto ex H.Hara
ヤマルリソウの白花品種です。 高尾山の登山道を歩いていて偶然見つけました。
開花直後で、まだ開ききってはいませんでした。
ヤマルリソウは、花色が濃いものから薄いものまで、けっこう色の濃淡の変異があります。 また花が古くなると、色もやや薄くなってくるように思われ、元々色が薄めの花は、かなり白っぽくなります。 ときには「これって白花かも?」と思えるような花にも出会いました。 しかし近づいてよく観察すると、いずれも、わずかながらブルーが入っており、白花と呼ぶことははばかられました。
しかし今回出逢えた花は、花の隅々まで純白です。 f. albiflora として間違いないと判断したので、白花として掲載することにしました。 シロバナヤマルリソウを見るのは初めてでした。
上は株全体の様子です。 登山道脇の、ともすれば踏まれてしまいそうな場所にいました。 花色以外は、普通の薄いブルーのヤマルリソウとなんら違う部分は無いはずですが、なんとなく全体的にひ弱そうな印象を受けました。 土壌の栄養や日照条件が関係しているのかも知れません。
開花直後で花も目立たず、よく見つけられたと思います。 周辺には、普通の色のヤマルリソウも多く見られました。
もう少し開いた状態の花が見たいと思いました。 翌4月11日は朝から雨で、時折強く降るような天候であったし、1日ではさほど変わらないであろうと思い、翌々日の12日に再度見に行きました。 次の写真です。
12日は、快晴で暖かくなりました。 ワクワクして現地に到着しましたが、花を見て二重の意味でガックリ。 まず、まだ花の開き具合があまり進んでいませんでした。 ちょっと早すぎた! そして、前日の雨のせいで、ひどい泥ハネが生じていました。 写真を撮ろうという気が起きないほどの泥ハネです。 花は地面スレスレの位置に咲いているで、仕方がありません。
せっかく来たのにさてどうしよう? はたと思いつきました。 持参したペットボトルのミネラルウォーターを少しづつ花にかけて、泥を落としたのです。 なんとか撮影に耐えられる状態まで洗浄できました。
最初に見た日から、1週間ほど空けてから再訪した方がよかったかも知れません。 その頃には、株ももっと立ち上がり、他の蕾も開花していたことでしょう。 これは次回のお楽しみとしましょう。
下の写真は、比較のために普通のヤマルリソウを撮影したものです。 白花から数メートル離れたところに咲いていたものを、同じ条件(リングライト使用)で撮影したものです。
果実は分果で、雌しべが4室からなり、それぞれが分かれて果実になるので、1つの花には4個の果実ができます。 中央が凹み、ドーナッツを連想させる形になり、ほぼ円形〜ゆるい楕円形です。 通常の花色の個体の果実となんら変わるところはありませんでした。
2017.04.20 掲載
2018.04.02 果実の写真と文を追加